琉球民族遺骨返還訴訟の判決を受けての要請書
2023年 11月 24日
京都大学宛ての要請書を作成しました。賛同してくださる方は、下記のフォームよりお願いします!
締切(第1次):2023年12月20日(水)
*第1次集約の締め切りを過ぎましたが、当面、呼びかけを継続します。ぜひ拡散にご協力ください!(12月24日ついき)
呼びかけ人(50音順、2023年11月23日現在):板垣竜太、駒込武、小山哲、辻海、冨山一郎、永原陽子、藤原辰史、松田舞、松田素二
問い合わせ先: honetori@gmail.com
京都大学総長
湊 長博 様
琉球民族遺骨返還訴訟の判決を受けての要請書
2023年9月22日、大阪高等裁判所は琉球民族遺骨返還訴訟の判決を出しました(その後、この判決は確定しました)。同判決は、原告(高裁では控訴人)たる琉球民族への遺骨返還について、現行民法を根拠とする請求としては却けましたが、その一方で、むしろ遺骨を保有しつづけ対話を拒否しつづけている京都大学の態度を厳しく批判しました。判決は、「遺骨は、単なるモノではない。遺骨は、ふるさとで静かに眠る権利があると信じる。持ち出された先住民の遺骨は、ふるさとに帰すべきである」と断言し、京都大学や原告ら関係者による話し合いを進め、適切な解決への道を探るよう求めました。
判決は、「日本人類学会から提出された、将来にわたり保存継承され研究に供されることを要望する書面に重きを置くことが相当とは思われない」とも明言しました。日本人類学会は2019年、この訴訟に関連して、京都大学に対し今後も遺骨を「研究資料」として保存継承するように、また由来地に戻すとしても地方公共団体に「研究資料」として「移管」する以外のやり方は認めないように求めました。判決は、こうした偏狭な主張に対し、重視する必要はないと一蹴したのです。
京都大学は、この判決のことばを重く受け止めてください。まず、最低でもこの訴訟の原告らと、判決を踏まえてあらためて直接協議の場を設け、遺骨の「ふるさとで静かに眠る権利」を実現する方策を探るべきです。それだけではありません。過去の<学知の植民地主義>の産物である遺骨収集について、自ら率先して洗い出し、その全貌を明らかにし、謝罪と原状回復のために尽力すべきです。
また、京都大学にはこれ以外にもさまざまな問題を抱えています。奄美3島からも遺骨返還の要請が京都大学に提出されていますが、それに対しても京都大学は極めて消極的な態度を貫いています。奄美3島の遺骨も上記の琉球民族遺骨と同じ時期に同じ人類学者によって同じ研究目的で収集されたものであり、それらを切り離すことはできないはずです。アイヌ民族の遺骨については、政府の施策によって大部分が北海道の特別施設へと「移管」されていますが、ただ施策にのって黙って実務作業を進めているだけで、説明も謝罪もなく、アイヌ民族との対話も拒否しつづけています。さらに京都大学には、総合博物館に移管されなかった遺骨もあり、そのなかには朝鮮や台湾のものがあったことも資料からは分かっています。
判決は、旧植民地や先住民族への遺骨返還が「世界の潮流」だと明記しています。京都大学は、過去の<学知の植民地主義>のうえにいつまでも居座りつづけるのか、それとも、たいへん遅ればせながらも、そこからしっかり決別して新たな学知の道を歩もうとするのか、その岐路に立たされているのです。私たちは京都大学に対し、琉球民族遺骨返還訴訟の判決を真摯に受け止め、当事者との対話、真相究明、謝罪、原状回復を進めるよう、強く要請します。
by honetori
| 2023-11-24 10:00
| 要望書
