京大宛「要望書」第3報
2020年 11月 21日
ただ、10月28日付の「回答」は、わたしたちの「要望書」に対する回答には全くなっていませんので、11月19日(木)に下記のような申し入れを再度おこないました。大学の方針や取り組みについて要望しているのに、その回答はあり得ないのではないかということで、「要望書」に対して答えるべきことをより具体的にまとめたものです。万が一これにすら答えられないとすれば、京大には遺骨をはじめとしたhuman remainsに関する研究の倫理指針が存在せず、それを策定する計画もないということになり、それはそれで、そうしたものを大量に保有する大学としては非常に大きな問題となります。
2020 年11 月19 日
京都大学総長 湊 長博 殿
京都大学前総長 山極壽一 殿
「要望書」呼びかけ人
駒込武(京都大学)
重田眞義(京都大学)
永原陽子(京都大学)
藤原辰史(京都大学)
松田素二(京都大学)
板垣竜太(同志社大学)
冨山一郎(同志社大学)
「要望書」にかかわる再度申し入れ
京都大学が保有する遺骨に関して、私たちは去る10 月16 日に「要望書」を提出しました。その後、10 月29 日に第2 次集約した賛同人名簿(研究者172 名、一般個人160 名、21 団体)を合わせて再度「要望書」を提出しました。私たちとしては、この要望書に関する京都大学としての見解をうかがいたいと考え、懇談に応じていただけるか、文書で回答するかについてのお返事を10 月28日までにいただきたいと申し入れました。
それに対し、貴学総務部総務課から10 月28 日付けで次のような回答がありました。
本学総合博物館が所蔵する人類学資料については、順次調査を進めているところであり、現時点で回答できることはありません。
私たちはこれについて、まだ貴学が懇談か文書回答か決めかねているため、さしあたって上記のような回答を10 月28 日時点で送ってきたものと理解し、正式な回答をお待ちしていました。
ところが、その後音沙汰がなかったため総長室に確認したところ、上記の回答が全てだという理解でおられたとのことでした。私たちは驚愕の念を禁じ得ません。
私たちは、個別の遺骨について要望や質問をおこなったものではありませんし、法廷で現在係争中の特定の遺骨の処遇についての回答を求めているわけでもありません。あくまでも大学が保有する遺骨にかかわる一般的な方針や取組みの現状および計画について要望したものです。上記の回答は私たちの要望に何も答えていません。賛同人たちの思いに対して、このような回答は不誠実なものだと言わざるを得ません。また、研究倫理にかかわる要望に対して事実上の無回答を貫くということは、研究機関として責任ある態度とは言いがたいものです。
そこで、私たちが何を要望し、どのような回答を求めているのか、「要望書」にある4 点の要望事項に即して下記に整理しました。これらに対して一つ一つ真摯に回答いただけますよう、再度お願い申し上げます。
なお、懇談に応じていただけるか、文書で回答するかについてのお返事を、あらためて12 月4 日(金)までにお寄せください(連絡は事務局の駒込武〔メールアドレス省略〕までメールにてお願いします)。懇談の機会を設けていただける場合には、ご都合のつく日時をお示しください。もしも懇談の機会を設けることが難しいという場合には、12 月18 日(金)までに文書にてご回答いただきますようにお願い申し上げます。
記
1.遺骨の由来、収集、保管等に関し、徹底した真相究明を、第三者をまじえつつ、大学が責任をもって積極推進すること。
⇒京都大学のなかで、人間の遺骨がどこに所蔵されていて、それがどのような由来をもち、どのような過程を経て収集され、どのように保管されてきたのか、そこに研究倫理上および法律上の問題点がないかについて、現在どのような方針でどのような検証の取り組みがおこなわれているのか、具体的に回答してください。そこに第三者の客観的な視点を入れているのか、文部科学省をはじめ、外部から要請されなくても自主的に責任をもって真相究明をおこなう体制になっているのかどうか、回答してください。なお、京都大学が人間の遺骨を保有しているのは総合博物館だけではありません。他の部局でも、同様にそのような検証がなされているのかについても回答してください。
2.法令ないし倫理上不当な収集が明らかになった遺骨、または問題を払拭しきれない遺骨の研究利用を一切禁止し、謝罪と原状回復のための取り組みを大学が率先しておこなうこと。
⇒法令ないし倫理上不当な収集が明らかになった遺骨、または問題を払拭しきれない遺骨について、研究利用を禁止ないし停止するような制度的枠組や方針が存在しているかどうか、回答してください。また、不当な収集が明らかになった場合、謝罪や原状回復をおこなうための枠組や方針があるかどうかについても回答してください。
3.遺骨の遺族、墳墓を宗教感情の対象とする住民、死者あるいは遺骨由来地に深くゆかりをもつ人々から返還等の要請があった場合は、それに真摯に応じ、返還等のあり方について協議すること。
⇒遺族や住民等から遺骨の返還等の要請があった場合、どのように協議に応ずるのかについて、京都大学の体制と基本方針について回答してください。
4.国に対し、非倫理的に収集された遺骨の調査や返還を進める方針を策定し、国の責任と大学・研究機関の責任の範囲を定めるよう、要請すること。
⇒まず大学として遺骨の調査や返還についての方針を策定しているか、していないとすれば今後策定する計画があるか、回答してください。そのうえで国に対しても、そうした方針の策定を求める計画があるか、回答してください。
以上
by honetori
| 2020-11-21 09:19
| 要望書

