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京都大学宛「要望書」賛同募集(10月14日までです!)

  「人骨問題を考える連続学習会@京都大学」をきっかけとして、京都大学宛の「要望書」を作成しました。研究者の連名により京大に提出することを想定した文書になっていますが、一般(個人)および団体としてこの要望書の趣旨に賛同してくださる方々も募ります。賛同してくださる方は、下記の賛同フォームよりお願いします。
締切(第1次) 2020年10月14日(水)

要望書PDF版 (両面印刷して使ってください)


2020年10月 日
京都大学総長(前) 山極壽一 様
京都大学総長(新) 湊長博 様

要望書

 私たちは、植民地主義やレイシズム(人種差別、民族差別)、その他の不均衡な権力関係を背景に、不当に収集された人間の骨を、大学が研究資料として占有しつづけていることに、人類学や歴史学など、人間に関する研究に携わっている研究者の立場から反対します。

 いま、琉球民族の原告団が京都大学を相手に遺骨の返還訴訟をおこなっています。その遺骨は、戦前に京都帝国大学の人類学者が墳墓より持ち去ったものです。遺族や地元の人々の礼拝の対象となっていた墳墓から遺骨を収集することは、当時の刑法にも抵触する行為でした。遺族の特定できない古墳であっても、本州・四国・九州の本島では、住民感情に配慮して、積極的には収集されませんでした。ところが、当時の人類学者が「日本特殊地方」と呼んだ地域、すなわち大日本帝国の植民地や先住民族の居住地域などでは、古代のものとも廃墓とも確認されていない墳墓から、広範にわたって遺骨が持ち去られていたのです。そこには植民地主義やレイシズムの認識と力が作動していたとしか言いようがありません。裁判で、被告京都大学が「警察の許可があった」と主張していますが、そのことはむしろ遺族や住民の合意がないまま、不均衡な権力関係のもとで収集が進められていたことを示唆するものです。

 研究者のなかには、こうした遺骨までにも学術的価値を認め、大学による占有と研究者による利用の継続を主張している人々もいます。しかし、遺骨の価値は一部の専門家だけが独占的に決めうるものではありません。法や倫理に照らして、不正ないし不透明な過程で得られた遺骨の研究、墳墓から引き離されることで関係者の感情を著しく害している遺骨の研究、そのような人間の尊厳を傷つける研究を通じて得られるような学術的価値の存在を、私たちは認めることができません。

 日本以外の旧植民地帝国でも同じような問題が20世紀から提起されてきましたが、植民地や先住民族の問題に関わる遺骨については、徹底した調査や協議にもとづき、返還をはじめとした原状回復の努力が積み重ねられてきました。たとえば、南アフリカ政府は、不適切な方法やもっぱら人種主義的な研究のために行われた遺骨収集を「非倫理的な収集」とし、そのような遺骨の由来調査や返還を進める方針を出しました。そのもとで、2019年にはケープタウン大学が「非倫理的な収集」による遺骨を所持していたことを謝罪し、返還しました。京都大学をはじめとした遺骨を保有する日本の大学・研究機関は、この点において完全に立ち後れており、世界の大学・研究機関から研究倫理の貧しさが批判されるような状況だと言わざるをえません。

 以上を踏まえ、私たちは、大学が保有する遺骨について、次のようなことを求めます。
1.遺骨の由来、収集、保管等に関し、徹底した真相究明を、第三者をまじえつつ、大学が責任をもって積極推進すること。
2.法令ないし倫理上不当な収集が明らかになった遺骨、または問題を払拭しきれない遺骨の研究利用を一切禁止し、謝罪と原状回復のための取り組みを大学が率先しておこなうこと。
3.遺骨の遺族、墳墓を宗教感情の対象とする住民、死者あるいは遺骨由来地に深くゆかりをもつ人々から返還等の要請があった場合は、それに真摯に応じ、返還等のあり方について協議すること。
4.国に対し、非倫理的に収集された遺骨の調査や返還を進める方針を策定し、国の責任と大学・研究機関の責任の範囲を定めるよう、要請すること。
以上

呼びかけ人(五十音順)
板垣竜太(同志社大学)、駒込武(京都大学)、重田眞義(京都大学)、冨山一郎(同志社大学)、永原陽子(京都大学)、藤原辰史(京都大学)、松田素二(京都大学)

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by honetori | 2020-09-25 11:30 | 要望書

公共機関所蔵の人骨問題を考える連続公開学習会です。


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